先月、栽培していたグラスジェムコーンを
無事に収穫することが出来ました。
初めて栽培する品種だったので
ドキドキの連続でしたが、まるで宝石のような
とてもきれいなグラスジェムコーンを
収穫することが出来ました。
そして、今回は数十年放置されている畑を
整地するところからのスタート。
飾り用だけでは無く、食用にも
使いたかったので、無農薬、有機栽培で栽培しました。
素人が栽培したので、失敗したところがもたくさんあります。
しかし、この私の成功したところも失敗したところも
これからグラスジェムコーンを無農薬、有機栽培したいと
思われている方の参考になるのではないかと思います。
グラスジェムコーンとは?
グラスジェムコーンはアメリカ オクラホマ州の
ネイティブアメリカン カール・バーン氏が
さまざまな品種を掛け合わせて作り上げた品種です。
レインボーコーンやジュエリーコーン、虹色コーン
とも呼ばれています。
宝石を散りばめた様に色鮮やかで
とてもカラフルなのが特徴です。
サイズは7~15cm前後と小ぶりです。
トウモロコシの分類では硬粒種の中の爆裂種。
つまり、実が非常に硬く、熱すると爆裂する種です。
食用としては乾燥した種をフライパンやレンジで熱して
ポップコーンを作ったり、種を粉にして、
パンやトルティーヤの材料として使います。
こんなにカラフルなトウモロコシが、遺伝子組み換えでは無く、
品種改良によって作られたなんて、本当に凄いです。
畑の準備
グラスジェムコーンを栽培する場所が無かったので、
数十年放棄されていた畑を借りました。
そこは長い年月放置されていた場所だけあって、
萱やかずらが畑一面を覆い尽くしています。
畑の草を全て抜き、大きめの石はなるべき取り除きます。
耕運機で耕しながら、畑に残っている根っこを取ります。
畑の中でも、なるべく日当たりと水はけのよい場所を
グラスジェムコーンの畑として使います。
畑に元肥として牡蠣がら石灰と、発酵鶏糞、昭和酵素を
混ぜたものを入れて、何度か耕して畝を整えたら
畑の準備は完了です。
畑の準備は種まきや定植の1か月前までに
行うといいです。
グラスジェムコーンはスイートコーンの
約倍ぐらいの高さ(3メートル前後ぐらい)にまで成長するので、
肥料はスイートコーンの1.5倍~2倍の量が必要です。
私のグラスジェムコーンの畑は
1畝2条 幅90cm、長さ10mが2列です。
ここに発酵鶏糞20キロを6袋、昭和酵素Hi-S約200グラム、
牡蠣がら石灰を3~4キロ入れて混ぜました。
トウモロコシは非常に肥料食いの植物なので
肥料はたっぷり与えます。
昭和酵素はたまたま近所のホームセンターで販売されていて、
使い始めた有用微生物活性化資材です。
果物・野草・海藻などから抽出した野生酵母や酵素を、
米ぬか・フスマなどの繊維素や自然石に吸着させた物です。
昭和酵素Hi-Sを他の野菜や花の栽培で使ってみたところ
植物の生育が良くなったと感じたので、今回も使用しました。
★とうもろこし栽培の注意点★
とうもろこしには多くの種類があります。
種類や品種の違う花粉によって受粉すると、
本来持っていた性質を失う事があるそうです。
これを「キセニア現象」と言うそうです。
グラスジェムコーンの花粉がスイートコーンの
雌穂にかかると、スイートコーンの甘味が
無くなるかもしれません。
他の品種のとうもろこしを栽培する場合は
100m以上離れた場所で栽培をされるか、
開花期をずらして、栽培をしてください。
種まき
グラスジェムコーンの発芽温度は13℃です。
地域によって4月でしたら遅霜が降りる地域が
有るかもしれませんので、
その地域にあった時期に種まきをしてください。
種まきから収穫までの日数は約110日です。
種まきが遅くなると、収穫期と台風の時期が
重なってしまうので、霜が降りなくなったら、
早々に種まきをした方がいいかもしれません。
種まきは畑に直接蒔いてもいいですし、
ポットでも大丈夫です。
★畑に種をまく時の注意点★
とうもろこしは1本では自家受粉出来ない植物です。
風媒で受粉出来るように株間を30~45cmとって、
複数列で10株以上植える事をお勧めします。
今回は畑の準備が遅くなってしまった為、
トレー型のポットに種まきをしました。
本来でしたら、一か所に2,3粒種を蒔きますが、
種があまり無かったので、1か所に1粒蒔きました。
深さ3cmの穴を指で開けて、種を蒔いて行きます。
全て蒔き終えたら、土をかぶせて、軽く押さえます。
発芽するまで、土が乾いたら水をあげます。
2週間以内に播いた種の9割が発芽しました。
畑に苗を定植する
苗のポット裏の排水口から根っこがのぞき始めて、
葉っぱが3~4枚できてた頃が植え時です。
植替えが遅くなってしまうと、
植替時に成長した根っこを傷つけてしまうかも
しれないので、遅くならないように注意します。
株間30cm~45cmぐらい空けて、1畝2条で定植していきます。
定植し終えたら、用意していた枯れた萱でマルチングします。
マルチングは土の表面を草やビニールなどで覆う事です。
マルチングによって地温変化の抑制や土壌の乾燥を防止したり、
雑草が生えて来るのを抑制する効果があります。
最後に苗にたっぷり水をあげます。
間引きとわき芽取り
芽が15cmぐらいに成長したら、
一番元気な物だけ一本残して、
他はハサミで切り取ります。
トウモロコシの成長は非常に速いです。
どんどん大きくなっていきます。
それと同時に、わき芽も次から次へと出てきます。
このわき芽は倒伏防止に効果がある為、
そのまま残しておく人、
養分が取られそうだから切り取る人、
意見が分かれます。
しかし、最近の研究でわき芽を残しても
発育には影響が無いことがわかったそうです。
しかし私の畑はコンパニオンプランツ
(相性の良い植物を混植して栽培する方法)で
野菜を栽培しているのでとうもろこしの間には
枝豆を育てています。
枝豆もかなり葉っぱが茂ってきて、
風通しが悪くなると思い、
とうもろこしのわき芽は根元から切り取りました。
追肥と土寄せと支柱立て
グラスジェムコーンが80センチぐらいになった頃、
追肥を根元の周りに円を描くように蒔きました。
今回の肥料は発酵鶏糞ペレット20キロです。
今回も昭和酵素を少量混ぜてから播きました。
トウモロコシは成長とともに、
根っこが地上に張り出してきます。
それを見つけてはこまめに土寄せをします。
3メートルまで成長するグラスジェムコーン。
台風で倒れてしまう恐れがあるので、支柱を立てます。
(私が住む地域は毎年台風が来るので・・・)
株数がたくさんあるので、
全てに支柱を立てるのは大変です。
そこで畝の周りに数本支柱を立てます。
その周りに紐を上段、中段、下段の3か所に
巻きつけました。
これで全体の倒伏防止柵ができました。
これは鳥の食害からとうもろこしを
守る効果も若干ありそうな気がします。
人工授粉と害虫対策
雄穂が満開になり花粉が飛び始めたら、
雄穂をハサミやナイフで切り取り、
その雄穂を別の株の雌穂の絹糸に
触れさせて受粉させます。
(トウモロコシは自家受粉出来ないので)
人工授粉する時は雌穂の絹糸を手にとって
表も裏側(実の方の絹糸)も満遍なくすると、
きれいなとうもろこしができるようです。
(今回はこの事に後で気づき、裏側まではしなかったので、
歯抜けのとうもろこしが多かった様な気がします。)
とうもろこし栽培の大敵はアワノメイガの幼虫です。
幼虫は雄穂から雌穂へ移動します。
雄穂を切り取ってしまえば、幼虫が雌穂へ行くのを
防ぐことが出来ます。
雌穂の剪定
一番上の雌穂と中段ぐらいの雌穂を残して、
その他の雌穂は全て取り除いてしまいます。
大きいとうもろこしを育てたい方は、
1つだけ残して、後は全て取り除いて下さい。
取り除いた雌穂は、ベビーコーンとして
食べられます。
早く取り除かないと、ベビーコーンの
芯が硬くなって食べられなくなります。
収穫
グラスジェムコーンは成熟してから
発色する特性があります。
なので、株が枯れて、茶色くなってから収穫します。
試しに、まだ青い時期に何個か収穫してみました。
実はぎっしり詰まっていましたが色が白い。
再び皮を被せて数日待ってみました。
日に日に少しずつ発色はしていったものの、
途中で発色が止まってしまいました。
切り取らずに、株でしっかりと熟成させた方が
断然、色の発色がいいです。
今回の収穫日は、たまたま妹の子供たちも
遊びに来ていたので5人の子供たちと収穫しました。
子供たちが皮を剥いている時の
楽しそうな顔がとても印象的でした。
皮をむく時にどんな色が出てくるのか
毎回ドキドキワクワクします。
グラスジェムコーンは一つとして同じ物が無いです!
赤系、青系、レインボー系、クリアガラス系、パステル系など、
一本一本色実が全く違います。
そして、その一本の中にある無数の種も、一粒一粒色が違います。
本当に不思議過ぎて、観ているだけでも飽きません。
私の子供たちには幼稚園にも
グラスジェムコーンを持って行って貰いました。
植物が生みだしたアートを観て、
自然界に少しでも興味を持ってもらえたらいいな。
と思います。
乾燥させる
収穫したてのグラスジェムコーンはまだ完全には
乾燥していないので、数日間、風通しの良い場所で乾燥させます。
皮をむいて絹糸を取り除き、
ピンチハンガーで皮を挟んで干したり、
軸の部分に紐を巻きつけていって、
壁に吊り下げました。
今回の反省点
今回は歯抜けでは無いグラスジェムコーンは
全体の3分の1ぐらいで、
大きさはバラバラで8cm~20cmぐらい。
開花するまでに3メートルまで
成長させないといけませんが、
何本かはそこまで成長しましたが、
3メートルまで成長しなかった株が多かったです。
グラスジェムコーンは固定種ですし、
もともとポットに1粒ずつしか蒔いていないので
間引きをほとんどしていません。
なのでサイズがバラバラになってしまうのも
仕方が無いですが、
もう少し大きく育てないといけないと感じました。
そして、今回は数株ですが
アブラムシが付いてしまいました。
アブラムシは気にして取っていましたが、
日に日に数が増えて、手のつけられない程、
増えてしまいました。
害虫を発見したら早めの対処が必要だと感じました。
アブラムシが原因でかモザイク病と萎縮病にも
数株がなってしまいました。
アブラムシが発生した原因は
肥料に鶏糞を使ったからかもしれません。
次回栽培時の改良案
◎鶏糞の使用をやめる。
発酵鶏糞のかわりに
発酵牛フンかボカシ肥を作って
今回の元肥よりも多めに使用する。
(牡蠣がら石灰と昭和酵素は今回と同じ)
その理由はブロイラーの発酵鶏糞には
抗生物質が多く含まれており、
病虫害が出やすいそうです。
(参照元:これならできる!自然菜園 著者:竹内孝功)
今回使用した鶏糞はホームセンターで
購入した発酵鶏糞なので
ブロイラーの鶏糞だと思います。
◎元肥にもみ殻くん炭を入れる。
元肥にもみ殻くん炭を加えて育ててみたいと思います。
もみ殻くん炭は土壌の保水性、排水性を高め、
病気や害虫が付きにくくなるそうです。
◎よく間引きをする。
今回は、ポットに1粒蒔きだったので、
次回は2~3粒蒔いて、
しっかり間引きをする。
◎追肥は2回行う。
追肥は株丈が40cm~50cmになった頃と
雄穂が出始めた頃、2回行う。
追肥も鶏糞を止めて、ボカシ肥にする。
様子を観ながらコンフリー液を時々あげる。
◎早めに害虫を駆除する。
アブラムシを発見したら
朝露の有る時に草木灰を蒔くか、
晴れた日にのりを水で10倍に薄めた液を
アブラムシがいるところに散布する。
◎人工授粉は満遍なくする。
受粉させる時は雌穂を手にとって、
表も裏もしっかり満遍なく行う。
◎枯れるまで収穫を待つ。
次回はこのように改良して
グラスジェムコーンを栽培したいと思います。
グラスジェムコーンを食べる
歯抜けのグラスジェムコーンがたくさんあったので、
乾燥させてからコーン(種)を取ります。
ポップコーンを作ってみた
①フライパンにお好みの量のコーンを入れます。
そこになたね油やバターなどのお好みの油を加えて混ぜます。
②フライパンに蓋をして、火をつけます。(弱火から中火)
③ポンポンしてきたら、焦げないように弱火にして
音がやむまで、鍋をゆする。
④音が無くなったら、火を止めて塩をふって混ぜて、出来上がり。
グラスジェムコーンで作るポップコーンは
とても美味しかったです。
市販のとうもろこし用の種で作るポップコーンより
美味しく感じました。
しかし、残念ながらカラフルな色は無くなってしまい、
見た目は通常のポップコーンと同じです。
白米で一緒に炊いて食べてみた
白米のご飯を炊くときに、
乾燥させたコーンを一緒に入れて炊いてみました。
結果・・・
コーンが硬くておいしいとは言えない・・・
コーンを一晩水に浸すと、
多少柔らかくなるかもしれません。
玄米で炊いて食べてみた
玄米と一緒に一晩水に浸して炊きました。
白米の時よりは柔らかくなりましたが、
家族からは不評です。
コーンを食べていると言うより、豆ご飯近い味です。
炊くときに、お塩や調味料を
少し足すと美味しくなる可能性は秘めています。
今のところ、グラスジェムコーンは
ポップコーンが手軽にできて、美味しく食べれます。
そのうち、粉にしてトルティーヤ作りにも挑戦してみたいです。
まとめ
今回初挑戦だったグラスジェムコーン作り。
無事に収穫することが出来て本当に良かったです。
グラスジェムコーンを自分で育てて収穫し、
皮をむく瞬間のこのドキドキ感と感動は
育てた人にした分かりません。
プレゼントとしてもインパクトがあってとても喜ばれます。
たくさん収穫したグラスジェムコーンで
子供たちとお部屋に飾るリースを作りたいと思います。
そして、乾燥させた種の一部を残しておいて、
来年もまた畑に種を蒔こうと思います。
グラスジェムコーンの種を取り扱っているお店は
まだとても少ないです。
しかし、ネットショップでは数軒のお店が種や
栽培キットを販売しています。
興味がある方は、是非挑戦してみてください。
仙人からからふしぎなたねをもらった青年のおはなし。
グラスジェムコーンも同じです。栽培をすると種が無限に増えていく。
しかし、様々なアクシデントにも遭遇します。とても面白い絵本です。
子供たちにも是非読んで欲しい絵本です。