私は田舎に移住して9年目ですが、
その間2回引っ越しをしています。
一番最初に住んだ家は田舎らしい古民家で
家が広くて、景色が良く、畑や庭があり、
私にとって理想的な家でした。
しかし、まさかの大家さんからの退去命令で
泣く泣く引っ越しました。
これから田舎に家を借りて移住しようと
思っている方の為に、
私たちの痛すぎる経験談を語りたいと思います。
家との出逢い
私たち夫婦は数年かけて、移住先を探していました。
ようやっと、夫婦ともに納得がいく理想的な場所に出逢い
そこに移住することを決めました。
いよいよ現地で家探しです。
移住候補地は誰も知り合いがいない街。
当然、その土地の環境やどんな人が住んでいるのか
全く知りません。
なので、その街をよく知る為にも、
最初に住む家は賃貸が良かったので、
賃貸物件を探し始めました。
私たちは夫婦ともに物作りをしているので
道具や機械など、とにかく荷物が多いので、
広い戸建で、畑がついて、納屋が付いて、川沿いで
家賃が安いところを探していました。
具体的には3万円以上は出せないかな〜と、
そして、繁華街からは離れていて、
車で10分くらいで行けたらいいな〜。
と漠然と考えていました。
かなり要望が多い方だと思います。
どこへ行ってもその様な所は当然なく、
半分諦めかけていました。
ここで家が見つからなかったら、どうしようか・・・
でもこの辺りにどうしても住みたいしな・・・
どうせないだろうなと思いながら入った、建築事務所。
そこは建築事務所なのでメインに
不動産業をしているわけでは無く、
知り合いに頼まれた物件を数件持っている程度。
やはり、私たちが思っている様な家はありませんでした。
かなり必死になって探していたので、
案内してくれたおばちゃんに
私たちがこの街に惚れ込んでいる事や、
どうしてもこの街に住みたい事を話しました。
そうしたところ、おばちゃんが、「そういえば・・・」っと
心当たりがある様子で、知り合いに連絡を取り、
直ぐに案内してくれました。
そこは、私達の話していた条件にぴったり合う、素敵な古民家でした。
中には荷物がたくさん入っていて、
そこを整理、掃除してから住むのが条件で
好きなように使っていい、そしてなんと家賃は月額1万円。
そんなうまい話が転がり込んできたのです。
直ぐに契約して、翌月引っ越してきました。
家賃1万円の家とは?
引っ越してきて、1週間は家の荷物の片付けをしました。
まずは家に残っていた大量の荷物の処分から。
押し入れや物置には、ゴミのような荷物が
たくさん詰まっています。
それらを燃やしたり、ゴミに出したり、
業者に持って行ったりして処分しました。
そして10年以上住んで居なかったので、
ネズミの糞と尿、カビが凄いんです。
それらを撤去しながらの大掃除。
そして、この家の最大の問題は家の中にある台所が腐っている。
この家は山を切り開いて建てており、
台所部分の壁の外側は山の断面とくっ付いている。
そして、コンクリートの施工が悪かったのか
雨が降るたびに、土間の台所は水浸し。
当然、台所はカビだらけで、木製部分は腐っている。
隣接する部屋も床が腐り、使える状態ではない。
そして、屋根裏からネズミの糞尿による悪臭がする。
そんな理由で、室内の台所は使われておらず、
雨が防げる程度のトタン屋根が付いている、
屋外の台所を使っていました。
大家さんからは「10年ぐらい住んでいい、
好きなように改修工事をしていい」
と家を貸してくれる時に言われていました。
私が住んでいる所は山の中で、
寒い時はマイナス10度になる時もあります。
水道管は凍るし、何より冬の朝晩の家事が寒すぎる。
台所をリフォームするのは大変だけど、10年住むならやるか。
いつかこの家を購入できたらいいな〜と淡い期待を持ちつつ、
思い腰を上げて、大家さんの許可を取り、
台所の改修工事を始めました。
キッチンリフォームの日々
やるならとことん自分達が思い描く物を作る!
という思いで作業する日々。
床が水浸しになるので、鉄筋を組んで、
コンクリートミキサー車を呼び、
床にコンクリートを流し込みで30センチ程あげました。
そこから木で骨組みを作って、床を張る。
石を集めて来て、アイランドキッチンの土台を作ったり、
壁からも水が浸み出して来るので、防水モルタルで塗って、
天井も全て張り替えて、埋め込み式の照明を作り、
配線も全部やり替えました。
床を上げたためドアが合わなくなり、ドアも2か所作り替えました。
一枚板でキッチンカウンターと棚を作り、窓も作り替えました。
とにかく大変な労力と、お金がかかりました。
夫は働きながら、週末や帰宅後にコツコツ工事をしていました。
私は子供が産まれたばかりで、育児に追われる毎日。
とにかく完成までとてもとても時間がかかりました。
もうすぐようやっと完成!!
家の中の台所が使える!!と思っていたところで
大家さんの様子がおかしくなる
完成間近ぐらいから大家さんの様子がおかしくなってきました。
全く話さなくなり、いつも怖い顔。
これは何かあるなと、思っていました。
そして、暫くして夫が大家さんから出て行って欲しいと言われました。
夫が理由を聞いても、特にないと言っています。
生後間もない長男を抱きながら、3人で途方に暮れました。
「他に住む家も無いし、これからどうしようか〜。
何とかこのまま住めないものか・・・」
隣のおじさんに相談してわかった事は、
実はその家はちゃんと大家さんに相続されてなく、
既に無くなっているお婆さんの名で登記されている。
そして、大家さんの兄弟間が非常に仲が悪く、
家の所有に関して問題が発生したようです。
長年続いている兄弟の不仲、
私達で解決できるはずがありません。
諦めて引っ越すしかありません。
どこに、引っ越したらいいものか・・・
ここの環境が気に入り過ぎていて、離れられない。
とてもとても悩みました。
そんな時、近所の人達が手助けして暮れたお陰で、
近くにある空き家に引っ越すことができました。
辛いことはあったけど、前向きに!
新たな家に引っ越しをしても、
何もやる気が起きず半年ぐらい引っ張りました。
子育ても大変な時期で、本当に心身疲れていましたが、
住んだら都。
徐々に痛みも薄れ、前向きな気分に持って行きました。
いざ住んでみると、家の周りの環境が前の家と近所でも、
全く違う事に気付き、
今まで考えた事がなかった様な事に
挑戦する楽しみを得る事ができました。
今思えば、引っ越しをしたからこそ、得られた物がとても多いので、
痛い経験も勉強だと思い、これからの人生で役立てたいです。
そんな、私の痛すぎる経験から、借家はあくまで借家。
という事を学びました。
いくら手を掛けても、大家さんの気分次第で
出ていかなければいけません。
家を直して綺麗になった途端に出ていって欲しい、
と言われる事は私以外でも、実はよくある話のようです。
今となっては、前の大家さんが家を貸してくれたからこそ、
好きな場所に暮らせることが出来たのでとても感謝しています。
しかも、家賃1万円は破格ですよね。
まとめ
前回の記事でも書いたように、
田舎暮らしを始める時は、まずは賃貸がいいです。
もし、格安の物件で修繕工事が必要な物件なら
修繕工事は生活に困らない程度の最低限にして、
その物件が購入できたら、お金と時間をかけて
好きなように改修工事した方が得策だと思います。
改修工事をしなくてもいい、
田舎らしい理想的な家が見つかればいいのですが、
そのような物件はとても少ないです。
気にいる家がなくても、とりあえず家を借りて、
田舎暮らしを始めてしまいましょう。
そのうち、住む事によって情報が入り、
理想的な家を手に入れることができるかもしれません。
いつか、いつか、と思っていてもいつかは来ません。
都会から一歩外へ踏み出してみましょう。
新しい世界が広がっています。
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