先日、家族と一緒にサルナシ(ベビーキウイ)採りに行ってきました。
自然の中から食べれる物を見つけて、
収穫する事は田舎暮らしの楽しさの一つでもあります。
今回は先日採ってきたサルナシについて
効能や食べ方など詳しく説明したいと思います。
サルナシとはどんな植物
サルナシはキウィフルーツと同じで、
マタタビ科に属する落葉性のつる植物です。
サルナシは果実の形が梨に似ていて、
猿が好物だということから
『サルナシ』と呼ばれています。
また果実は『コクワ』とも呼ばれます。
自然の果実の中でも特に味が良く、
あまり見つけられない事から
『幻の珍果』と評価する人もいるそうです。
海外では『ベビーキウイ』や『キウイベリー』
と呼ばれ、栄養価が非常に高いことから
スーパーフルーツのひとつとして有名です。
味はキウイフルーツよりも香りが強く、
微かな酸味と甘みがある。
キウイフルーツをぎゅっと濃縮したような味です。
サルナシの種類
日本に自生しているさるなしの仲間は5種類あります。
「サルナシ」「シマサルナシ」「ウラジオマタタビ」
「マタタビ」「ミヤママタタビ」
その中で、一般的によく食べられているのは
「サルナシ」と「シマサルナシ」です。
サルナシも、シマサルナシも果実はキウィフルーツを
無毛にして、小さくしたような形で、
果実の中もキウィフルーツとそっくりです。
大きさが2~3cmぐらいなので、キウイフルーツのミニチュアのようで、
とってもかわいいです。
皮の色は、サルナシが緑色で皮が薄く、
シマサルナシは緑褐色や褐色で皮目があり皮が硬いのが特徴です。
サルナシ
シマサルナシ
サルナシの自生地と収穫時期
サルナシ (収穫時期 温暖地ー9月 寒冷地ー10月)
日本では,北海道から九州まで全国的に自生している。
九州や四国では,1000m前後の標高の高いところに
自生していますが、北海道では平野部でも見られるそうです。
シマサルナシ(収穫時期 11月下旬)
紀伊半島東南部を東限として,沿岸部。
伊豆諸島でも自生が発見されたようです。
(参照元:香川大学農学部片岡研究室マタタビ属の研究より)
サルナシの栄養と効能
サルナシには大変豊富な栄養素が詰まっています。
主な栄養素は
⚫ビタミンCがレモンの約10倍
⚫ビタミンEがアボカドの約2倍
(100gあたりの含有量が果物の中で一番多いそうです。)
⚫βカロテンがキウィフルーツの約3倍
⚫ルティンがキウィフルーツの約1.8倍
⚫クロロフィルがキウィフルーツの約2.5倍
⚫タンパク質分解酵素(アクチニジン)がキウィフルーツの約2倍
が入っているそうです。
(※シマサルナシはアクチニジンの含有量は極めて少ないそうです。)
その他、ポリフェノール、ペクチン、鉄分、カリウム
ビタミンB6、マグネシウムなどの栄養素も含んでいます。
(参照元:kiwiberry organics,日本家政学会誌vol.61)
それぞれの効能
ビタミンC
疲労回復・肌のトラブル防止
風邪や感染症の予防
生活習慣病の予防・免疫力を高める
ビタミンE
抗酸化作用・肌荒れ防止・
前立腺がんや胃がんの予防
コレステロールを下げる
血行を良くし、冷え性や肩こりの改善
βカロテン
身体全体のアンチエイジング
がん発症リスクの低減効果
口内炎、歯周病の予防、改善
美肌効果
ルテイン
白内障や黄斑変性症の予防
クロロフィル
美肌、デトックス効果
消臭殺菌効果、貧血改善効果
タンパク質分解酵素アクチニジン
調整効果・便秘予防
ポリフェノール
高血圧予防・アンチエイジング効果
サルナシには『Pg102』という成分が含まれております。
Pg102はlgE抗体を抑える事が実証されているようです。
(参照元:(株)藍匠 魚沼山菜農園さん)
つまりサルナシを食べると、花粉症、アトピー、喘息の
症状緩和の効果があるそうです。
これだけたくさんの栄養素が入っているサルナシ、
スーパーフードと呼ばれるのも納得できますね。
追熟と保管方法
サルナシ
サルナシはそのまま室温に置いても追熟できます。
エチレン処理すると一斉に追熟させることができます。
追熟して柔らかくなったサルナシは急速に過熟状態になるので、
なるべく早く食べるよう心がけて下さい。
硬い果実を収穫して、冷蔵庫の中で保管すると
ゆっくりと追熟するので長く貯蔵できます。
シマサルナシ
霜にあてて追熟するか、エチレン処理をして下さい。
室内に置いて居るだけでは、うまく追熟せず、
乾燥して萎んでしまうそうです。
エチレン処理
リンゴがエチレンガスを発生させるので、
リンゴと同じ箱に入れて保管して下さい。
りんごの種類
フジやサンふじはあまりエチレンガスを出さない為、
追熟には向いていません。
津軽、王林、ジョナゴールドなどを使用して下さい。
サルナシの食べ方
柔らかく熟した実は皮ごとそのまま食べても、
微かに酸味がありとても甘くて美味しいです。
サラダのトッピングで使ったり、
デザートのデコレーションに使うと
とても可愛らしいです。
また、サルナシとアボカドや玉ねぎと一緒に和えて、
味付けをすると、万能和え物が作れます。
ソテーした魚に乗せたり、ブルスケッタにしてみたりと
様々なお料理で活用できます。
また、サルナシと一緒に好きな果物や野菜、
豆乳、ヨーグルトなどをミキサーに入れて
ジュースやスムージーを作って頂くのも
ヘルシーでとっても美味しいです。
サルナシのジャムの作り方
用意するもの
サルナシ、砂糖、お好みでレモン果汁
熱湯消毒した瓶
(お砂糖の量はサルナシの分量の1/3〜1/4ぐらい)
①サルナシをよく洗い、ヘタや軸、傷んだ部分を
取り除きます。
(シマサルナシは皮を剥いて下さい)
②フードプロセッサーで粗く刻みます。
③②のサルナシとお砂糖半量を鍋に入れ、
中火にかける。沸騰したら弱火〜中火にして
5分程煮る。時々、焦げないようにかき混ぜ、
アクが出てきたらアクを取る。
④残りのお砂糖を入れてさらに煮る。
この時、酸味がもっと欲しい場合はレモン果汁を適量加える。
少し練りが出てきたら火を止め、熱湯消毒した瓶に入れて完成。
サルナシのお酒
用意するもの
サルナシ1kg、氷砂糖200g、お好みでレモン果汁4〜5個
お酒1.8リットル(ホワイトリカー又は果実用ブランデー)
果樹酒用の瓶(熱湯消毒をしておく又は殺菌処理をしておく)
①流水でサルナシをきれいにあらう。
下手や軸、傷んでいるサルナシは取り除く。
布巾で丁寧に水分を拭き取る。
ざるにあげ30分ぐらい乾かす。
レモンを入れる場合は皮をむき、白い綿の部分も取り除き、
輪切りで4つ斬りにします。
↓
②瓶にサルナシとはレモンを丁寧に入れ、
氷砂糖、お酒を入れます。
↓
③そのまま冷暗所で保管する。
レモンはエグ味が出る事もあるので、
味見しながら1ヶ月後を目安に取り除く。
熟成したお酒は3ヶ月目以降から飲めます。
漉して瓶に移し替えて下さい。
お酒に漬けたサルナシは煮詰めてジャムにしたり、
ミキサーでペースト状にして、
カレーなど作る時の料理の隠し味として再利用できます。
その他の利用方法
サルナシのツルは非常に丈夫なので、
昔はいかだを縛るロープとして使われていたようです。
現在でも徳島県にある祖谷のかずら橋は
サルナシのツルが使われているようです。
まとめ
日本に自生するサルナシは残念ながら
雑木林の減少と共に、少なくなっているようです。
なので、日本産のサルナシは市場やスーパーでは
ほとんど見かけません。
しかし、サルナシを栽されている農家さんが
予約販売をしていたり、
コストコなどで、輸入品のサルナシが販売しているようです。
日本とアメリカオレゴン産のサルナシは9〜10月
チリ産のサルナシは2月〜3月
と、どちらも期間限定なので、
サルナシを食べてみたい方は
是非、その期間を狙ってみてください。
また、サルナシは栽培をすることもできますので
サルナシを育てて、収穫するのも楽しいかもしれませんね↓
サルナシにはたん白質分解酵素のアクチニジンが
含まれていますので、
食べ過ぎるとお通じがよくなりすぎる事があります。
摂取量の目安は一日3個ぐらいまでがいいようです。
サルナシは本当に美味し果物なのでぜひ試してみてください。
コメント
沢山の情報有難うございます
こんなに沢山の栄養がある事にビックリです
これからレシピを参考に作ります
色々有難う
サチ様
コメントありがとうございます。
ご参考にしていただけで嬉しく思います。
今が旬のサルナシを楽しんで下さいね。