こんにちは。タルボンヌです。
突然ですが、皆さん、子供を褒めすぎていませんか?
子育てに熱心な方は
「怒ってはいけない、叱ってはいけない。」
と、様々な育児本に書かれているので
実践されている方が多いと思います。
子供を褒めれば喜んで行動するようになるし、
子供の自信にも繋がる。
確かにそうかもしれません。
しかし、子供を褒めすぎていませんか?
心理セラピストの星一郎著書の
アドラー博士が教えるこんなひと言で子どものやる気は育つ―今日かけた“言葉”が、明日の子どもの自信になる
に褒めすぎない子育てのヒントが載っていたので紹介したいと思います。
アドラー心理学を用いた子育てとは
アドラー心理学とはオーストリアの精神科医アルフレッド・アドラー博士が
提唱した心理学です。
日本では2013年に出版された岸見一郎さん著書の
「嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え」で
一躍有名になったアドラー心理学ですが、
世界的にはフロイト、ユングと並ぶ心理学界の
三大巨匠の一人です。
この本ではアドラー心理学に基づいて行う
“勇気づけ”の子育て方法が紹介されています。
なぜ子どもに褒めてはいけないのか?
子供を褒めると子供が喜ぶので、ついつい褒めたくなりますが、
褒め続けていると、褒められるから行動する子供、
褒められないと行動しない子供になってしまう恐れがあるそうです。
また、褒められなかった時はとても落ち込んだり、
周囲の評価だけを気にして、本当に自分がやりたいことが
つかめなくなってしまう恐れがあるそうです。
アドラー心理学では
「私たち人間はみんな対等である」
と考えられています。
「えらいね。」「いい子だね。」という言葉は
親が上から評価して点数を付けているような言い方です。
アドラー心理学では褒めるのではなく、
対等な立場でする「勇気づけの言葉」が
子育てではとても重要だと言っています。
勇気づけの言葉とは?
勇気づけの言葉とは、文字通り勇気が湧く言葉です。
アドラー心理学では
子どもの「人格」(いい子、悪い子、やさしい子など)を評価するのではなく、
子どもの「行動」(何をしたか、どんなことをしたか)を評価して、
主語をあなた(子ども)ではなく、私(お母さんやお父さん)にして、
伝えることが鉄則とされています。
例えば:
「○○して、えらいね。いい子だね。」と褒めていた言葉を
↓
「○○してくれて、お母さん(お父さん)助かったよ。」
「○○ちゃんが○○して、お母さん(お父さん)はうれしいな。」など・・・
お母さんやお父さんの役に立てたということは、
「人の役に立つ」喜びを知る原点だそうです。
お母さんやお父さんが喜んでくれたことを知ると
人の気持ちがわかるようもなります。
結果を評価しない
子どもが学校や塾に通い始めると、
テストを持ち帰って来るようになると思います。
そんな時、子どもが取った点数を評価してしまうと、
点数が悪かった場合、「自分はダメだ。」と思ってしまうかもしれません。
そもそも、子どもが100点を取っても、誰の役にも立っていません。
勉強というのは誰かの為ではなく、自分の為にするものです。
子どもが一生懸命努力して取った点数で、
子どもが喜んでいたら60点でも100点でも、
「がんばっていたもんね。あなたがうれしそうな顔をしていると、
お母さんもうれしく思うよ。」
と言えると思います。
点数を評価しないで、子どもの努力を認めてあげることや、
子どもの喜びを一緒に喜んであげることが重要です。
結果だけを評価していると、子どもは結果を出すことにやっきになり、
ちょっとしたことで挫折を引き起こしやすくなるそうです。
結果よりも行動を評価してあげましょう。
「人の役に立つ」楽しさを教えてこそ子どもは伸びる
前章でもお話ししましたが、勉強は自分の為にするものです。
では、何の為にするのか?
それは将来、人の役に立つ人になる為です。
いい大学やいい就職先が勉強する最終目的ではありません。
勉強することで得た知識や能力をどう社会の為に生かせるか?
そのことを教えるのが本当の教育だといえます。
学校や塾で学ぶことだけが勉強ではありません。
家庭や社会から学ぶこともたくさんあります。
絵や音楽、文章、料理、スポーツ、ファッションなど、
その子が本当に好きな事で、
人の役に立てたら親としてもうれしいですよね。
その為にも、親が子どもに「勇気づけの言葉」を
日頃からかけたいものです。
まとめ
この本を読んで以来、子どもと話す時は
なるべく意識して、「勇気づけ」の言葉を使うようにしました。
そうしたところ、子どもの行動の変化が
顕著にあらわれて、本当に驚きました。
アドラー心理学、本当に凄い効果です!!
「人の役に立ちたい」という要求は
年齢に関係なく人間誰もが持っている欲求なんだなと感じました。
今回紹介した本、
「アドラー博士が教える こんなひと言で子どものやる気は育つ」には
紹介した内容以外にも
・「やる気」を引き出す7つのアドラーの法則
・感情的に叱らない為の言葉の知恵
・「自分からやる力」を伸ばす対話術
・子どもを「励ます」ひと言 「追いつめる」ひと言
など、具体例をあげて詳しく書かれています。
とても具体的でわかりやすい内容なので、
育児のちょっとした合間に読める本だと思います。
この本は残念ながら絶版になってしまったようですが、
星一郎さんの他の著書にもアドラー心理学を使った
子育て論が数冊出版されています。
これから子育てされる方、現在子育て中の方、
教育関係のお仕事をされている方には
是非読んで欲しい一冊だと思いました。
